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う そ つ き

芸術と芸術を融合ぐちゃぐちゃ

水商売

1セット六千円の愛
ドアを開ければ広がるファンタジー
親父の太ももに手を添えて
初めましてって笑う

パーティードレス身に纏った二十歳の私は
今夜も生きてく為に愛情を売ってる
汚い親父がたくさん触ったけど
家に帰ればきみがふたりのベッドを半分開けて
私の帰りを待ってるから
きみが同じかそれ以上に私に触ってくれたなら
それだけでよかった
それだけで綺麗になる気がした

東京は嫌いだ
人混みに飲まれて
ラブホテルのネオン街並んで歩く
東京は嫌いだ
人混みに飲まれて
私だけを愛せればよかったのにね

都合のいい女だったでしょ
ペアリングもペアルックも
なにもなかった私たちは
なにで繋がっていたの
なにで繋がっていたの
愛情とか同棲とかそういうもの以外で

人が人として扱われないこの仕事の中で
喜怒哀楽を失って感情を売り飛ばして
私が私じゃなくなっていく
私が私を殺していく
分かってよ分かってよ
つらいのはきみだけじゃないよ

東京は嫌いだ
人混みに飲まれて
ラブホテルのネオン街並んで歩く
東京は嫌いだ
人混みに飲まれて

東京は嫌いだ
東京なんか嫌いだ

1セット六千円の愛
ドアを開ければ広がるファンタジー
よれよれのスーツの親父に
今夜も肩を抱かれて
寂しそうな顔で
手を振る男たちに
なにも悟られないようにと
笑って同情した

なかむらひとみ

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